佐賀県多久市は福岡から西へ唐津や伊万里へ向かう途中の内陸に位置します。平成20年度よりたった一人で造りを再開した野中保斉くんは当時28歳、僅か25石という極少の造りからのスタートでしたが、現在は社長兼杜氏という立場になり、現在は150石を超える造り(それでも少ないけど…笑)となって、かつ酒質の進化が著しいここ数年、派手さではなく「食事を支える酒」に徹している面にも共感しています。
今回入荷のひやおろしは、東鶴らしいほのかなメロン系の香りが爽やかです。柑橘系の酸がすっきりした旨みを支え、奥ゆかしいジューシーなフルーティさが米の旨みと相まって、軽めながら豊かな旨味を表現しています。派手さはありませんがバランスの取れた旨味で食中酒としての実力ある一本。秋刀魚の塩焼きが食べたくなります♪軽く冷やしてもいいですが、むしろ常温からお燗でも真価を発揮するお酒と思います。