2019年9月現在販売分は、”秋あがり”です。秋あがりの熟成味を槽場汲みのフレッシュさに織り込むよう挑戦しました。
加茂錦酒造で製造の中心となる若き蔵元田中悠一氏の技術力の高さを感じさせる1本。通常ラインナップにおいてもアルコール度数を15%でリリースする中、製造が難しいと言われる低アルコール13%に挑戦した意欲ある商品がこの「黄水仙(きすいせん)」です。
日本酒製造における特徴の一つである並行複発酵は、アルコール度数を高める事は世界的に見ても稀で高い技術を要します。しかしながら近年において、様々な理由でアルコール度数を低くしてリリースする蔵が増えてきました。
食中酒の意味合いが高くなり、量やインパクト、健康面を配慮した低アルコール化が日本酒業界にも浸透してきたからです。一方で単にアルコール度数を薄めて出荷したのでは、味わいに伸びがなく、粘性が低く水っぽい味わいになりがちです。その為原酒でのリリースが主流となっています。その反面、収得量が低く、技術力が必要なかつ、コスト高になってしまうのが実情です。
その中で、このような積極的なリリースと絶妙なる味わいを造り出す荷札酒 黄水仙は、もう一度飲みたいと言うリピートが高いお酒です。軽快でありながら日本酒としての味わいを残し、トロピカルな印象。パイナップルのような魅惑的な香り、マスカットのような踊るような香りが特徴的です。ぜひこの機会にご賞味下さい。