福島県会津若松で手造りの酒を醸す辰泉(たついずみ)酒造。長年勤めた名杜氏引退の後、杜氏を引き継いだのは社長の新城壯一さん。造りに対する頑固なストイックさとは裏腹の柔和な笑顔と謙虚な姿勢にファンも多く、毎年確実に進化するその酒造りも今期で5年目となりました。
その身上は会津産の米を使い、派手さのない「米の旨み」を出し切った酒質にあると僕は考えます。思わず「お米だねー」と、ほっこり微笑んでしまうそんな辰泉の秋上がり。その魅力をさらに深めるためもうひと夏を越させたお酒を発売します。
ほのかな柑橘系の香りに、柔らかく広がるやや熟した重めのコクがまさに豊穣の秋を感じさせます。柔らかな酸が全体を引き締めて深みがありながらも飲み飽きない酒質は「米の酒を飲んでる♪」喜びいっぱいのお酒。幅広い秋の食材にぴったり寄り添います。冷やしすぎず、できれば常温からお燗で飲んで欲しい一本です。